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「呪物蒐集録」――『見るだけで障る』いわくつきのものたち

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 この本のざっくりとした内容 
  • 著者は怪談・呪物収集家の田中俊行さん
  • 秘蔵の呪物54点(!)を精緻な画像で紹介
  • それぞれにまつわる「いわく、来歴、呪い」が語られる

こんにちは!みずたまです。

kindle-holicはkindle unlimitedで読める不思議な話・奇妙な話を紹介しています。

本日は「呪物蒐集録」(田中俊行著)を紹介します。
有名な怪談師である著者が集めた呪物コレクションはまさに圧巻!

ネットでは見られないような、珍しい呪物を知りたい!


そんな方におすすめの本です。

本の性質上グロテスクな素材(人体など)で作られた造形物・描写が掲載されています。苦手な方はご注意ください。

目次

田中俊行「呪物蒐集録」
著者紹介

田中俊行氏は著名な怪談師・オカルトコレクター。「稲川淳二の怪談グランプリ」2013年度の優勝者です。

その時に語られた名作怪談「あべこべ」はとくに有名。

柔らかな語り口が話の不気味さを引き立てていて、夢に出てきそうでした……。


そんな田中俊行氏の呪物コレクションをエピソード付きで楽しめるのが、今回紹介する「呪物蒐集録」です。

それでは見ていきましょう!

田中俊行「呪物蒐集録」
内容

本書は「呪物蒐集録」という名の通り、著者の呪物コレクションを楽しむ本です。

ページ構成はこんな感じ

  • 写真
  • 呪物の来歴
  • 収集時のエピソード

図鑑や美術録と同じですね。


それでは掲載されている呪物のうち、「釘付き人形」を例に紹介していきます。

写真——目を逸らしたくなる人形

「釘付き人形」写真の例

「釘付き人形」は色白な肌に面長の顔、おかっぱ頭の女の子の人形。名前の通り体のあちこちに釘を打たれています。

掲載されている呪物の中でも、この人形は特に写真が多い(なんと十枚以上!)です。

呪う相手の名前が書いてあったり、見る角度によって雰囲気が変わったり。

そういった「呪物らしさ」を余すところなく鑑賞できます。


この人形で特に印象的なのが顔のアップ写真。
すぐに視線を外したくなるほど不気味です。

大きなかまぼこ型の瞳が印象的なんですが、白目はほんの僅か。ほぼ黒目なんです。

つまり写真を見たときに、絶対に目が合います。

次に印象的なのが口です。
真っ赤な唇はほんの少しだけ開いています。自分を見つめているあなたに向かって、今にも何かを話しかけてきそう。

あどけない顔の人形だけに、なんとなく居心地が悪くなります。

顔の中心から目を離すと、次は人形の額に違和感があります。
そこにはぽつんと茶色い点があるんです。汚れかと思うくらい小さな点です。しかしよく見ると、それは錆びた釘の頭だとわかります。

その時ようやく、この人形は額に釘を打たれていることに気付くんです。

私はここでゾッとして周囲を見まわしました。いつのまにかこの人形が部屋のどこかにいそうで……。

見るだけで怪異に巻き込まれそうな写真の数々

本文——柔らかい語り口が怖い

「釘付き人形」文章の抜粋

ある家でだいぶ長いあいだ暮らしていた家族が、家の改築をしようとして、天袋の奥を掃除していたら出てきた人形です。
(略)
これ譲ってくれた人も詳しいことはあんまし言わないんです。なんせ、人形がかわいそうやって、めちゃくちゃ大事にしてました。最初、かわいそうやから見せたくないって言われて、逆に怖かった。

引用元:呪物蒐集録 『釘付き人形』

この本の特徴のひとつ「著者が怪談師」の本領を発揮しているのがこの文章!
著者が呪物について語った内容を、おそらくそのまま書き起こしています。

つまり呪物の写真を見ながら、著者の語りを読むことで、呪物の怪談ライブを疑似体験できるんです。

怪談師である著者の語り口で、呪物の世界にグイグイ惹きこまれる

掲載されている呪物

紹介される呪物はこんなかんじ

第1章 怨念が籠もった呪物
藁人形/呪詛人形/トゥピラク/人骨笛カンリン ほか

第2章 神と信仰の呪物
オシラサマ/ブードゥー人形/ヤヌス/クマントーン ほか

第3章 霊が憑依した呪物
呪殺人形チャーミー/マネキンの首/ポン/幽霊土鈴 ほか

第4章 数奇な運命の呪物
鵺の手/オラクル/首狩り族の装飾スカル/死者の書 ほか

note/Takeshobo Books 「フルカラー192p! 12/16発売『呪物蒐集録』―見るだけで障る圧倒的な呪力!」より引用

全54点の呪物たちはバラエティ豊か。

例えば「人骨笛カンリン」は死者を弔うときに吹くチベットの法具です。
これはなんと犯罪者の大腿骨で作られているそう!


本書を読めば、あなたの知らない呪物の世界が広がります。

宗教の呪物から人の怨念から生まれた呪物まで、幅広く掲載

おすすめポイントのまとめ

おすすめポイントは3つ!

  • 呪物の写真の精緻さ
  • 怪談師の語り口でグイグイひきこまれるエピソードたち
  • 宗教の呪物からいわくつきの物まで! 呪物のバラエティーが豊か

本書は「呪物」という今までにありそうでなかったコレクション本です。
呪物初心者でも気軽に楽しめるお勧めの一冊です!

田中俊行「呪物蒐集録」
感想

怖いだけじゃない

一見不気味な雰囲気の漂う呪物の写真たち。
ところが著者の飄々とした語りと併せると、なぜか可愛く見えてきます。

個性豊かな呪物たちの中できっとあなたのお気に入りが見つかります。

私の推しは「おばあちゃんのデスマスク」です!

サイドストーリーにわくわくする

大乗寺のオシラ祭りが10月16日。その日にオガミサマを呼んでオシラサマを遊ばせる

引用元:呪物蒐集録 「オシラサマ」

ヒューマンスカルクラブっていうのがあって、世界中のスカル好きがそこでやり取りしてて、だいたい全部呪物なんです。ほぼ昔の首狩り族関連のスカルですね。

引用元:呪物蒐集録 「首狩り族の装飾スカル」


呪物コレクターならではの、こんな知識が本のあちこちに散りばめられています。

呪物を通して知らない世界が垣間見えてわくわくします

呪物の世界に浸ってみよう

以上、田中俊行著「呪物蒐集録」の紹介でした。
様々な呪物をプロの怪談師の語りと共に楽しめる、kindle unlimitedの中でも異色の本と言えます。

呪物そのものだけではなく、その周りに広がる怪談師・コレクターの世界を知ることができるのも、この本の楽しいところ。


怖くておもしろい、不気味だけどかわいい。そんな混沌とした呪物の世界をぜひ楽しんでください。

もっと興味が湧いた方は……

「祝祭の呪物展」

著者・田中俊行氏と都市ボーイズはやせやすひろ氏の呪物コレクション展。
2022年・2023年と、東京大阪で開催されました。

プレスリリース

→BRUTUS 「呪物を“祝う”?多くの人を魅了し大盛況で幕を閉じた「祝祭の呪物展」を解剖する」


「祝祭の呪物展」では本書に掲載されている呪物が多数展示されています。

残念ながら今年は閉幕しましたが、興味が湧いた方は、次回足を運んでみてはいかがでしょうか。


以上、田中俊行「呪物蒐集録」の紹介でした!

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